JR(旧国鉄)北上線 平和街道踏切たち
岩手県北上市・北上駅を起点に、終点・秋田県横手市・横手駅まで61.1kmにおよぶ北上線(旧・横黒線)。
片や、岩手県大船渡市に端を発し、秋田県本荘市に至る国道107号線(一昔前は、平鹿郡横手町と和賀郡黒沢尻村を結ぶ道ということから
平和街道と称した)。
北上市と横手市の間は、奥羽山脈の山越え区間で、谷が狭く、両者は幾度となく交差しながら進んでいく。
特に国道で交通量が増加した最近でこそ、その交差箇所はすべて立体交差化されているが、かつてはほとんどが平面交差=踏切であった。
今なお現役のもの、そして廃されて久しく原形をとどめないものと、行く末は様々だが、今微かに残るそんな一昔前の風景をカメラの中に
切り取ってきた。
尚、廃止された踏切跡では、鉄道(北上線)はローカル線とはいえ旅客列車だけでも日に10本前後の列車が通行する現役路線であり、
列車が接近してももちろん警報機など一切鳴らないので、探索には十二分に注意されたい。
また文中、「←横手方」「北上方→」などの表現は、上段が道路、下段が線路に対してのものである。
第1平和街道踏切
不明
第2平和街道踏切
不明
第3平和街道踏切 34K924M
【写真左】 【写真右】
↑横手方 北上方↑
(ほっとゆだ(旧陸中川尻)駅、現・国道107号へ) (現・国道107号へ)
→横手方 北上方→
※岩手県道118号・陸中川尻停車場線として現役。
第4平和街道踏切
現・ゆだ高原(岩手湯田)駅付近?(詳細不明)
※現存せず
(現・国道107号跨線橋盛土に埋もれているらしい)
※ここが怪しいと思う理由。
この付近の位置関係は、以下のようになっている。
−第3踏切−(ほっとゆだ駅)−(ゆだ高原駅)−(黒沢駅)−第5踏切−
つまりこの間に「第4」が存在していたはずであるが、この間で平和街道(旧国道)と線路が
交差する地点は2つある。
1つはここ。
であるが、地形的には鬼ヶ瀬川と沢入川の合流地点付近で、線路はこれら2つの川とさらに
旧道を橋で渡っている。
また旧道も2つの川を渡り、線路の下をくぐっている。
そして右の写真が線路の橋脚(銘板で「第4鬼ヶ瀬川橋りょう」「しゅん工昭和38年9月14日」
と読める)。《この写真のみ、クリックすると拡大できます》
これらから線路と道路の平面交差は非常に難しく、当初からここに踏切はなかったものと
推測する。
よって、先程の箇所が怪しいとするものである。
第5平和街道踏切 44K692M
【写真左】 【写真右】
←横手方 北上方↑
(現・国道107号へ) (黒沢駅、現・国道107号へ)
←横手方 北上方↑
※山内村道?として現役。
第6平和街道踏切(跡)
【写真左】 【写真右】
→横手方 北上方↑
(第7踏切へ)
→横手方 北上方→
※現存せず(廃止)
特に北上方の道路跡は、廃されてかなりの年月が経っているようで、時期によっては接近も容易でないと思われる。
第7平和街道踏切 47K804M
【写真左】 【写真右】
←横手方 北上方→
(現・国道107号へ) (第6踏切跡へ)
←横手方 北上方↑
※山内村道?として現役。
第8平和街道踏切 52K005M
【写真左】 【写真右】
↑横手方 北上方↑
(相野々駅、第9踏切へ) (平石駅、現・国道107号へ)
→横手方 北上方↑
※山内村道?として現役。
「道の駅さんない・ウッディランド」の直下にあたる。
第9平和街道踏切 53K675M
【写真左】 【写真右】
↑横手方 北上方↑
(現・国道107号へ) (相野々駅、第8踏切へ)
←横手方 北上方←
※秋田県主要地方道40号線・横手東成瀬線として現役。
第10平和街道踏切(跡)
【写真左】 【写真右】
↑横手方 北上方↑
(現・国道107号へ) (現・国道107号へ)
→横手方 北上方→
※現存せず。
前後の道形は残っているものの、南側に接して造られた長瀞跨線橋に役目を譲ったようである。
なお踏切跡に立つと、跨線橋と反対側(横手方)に矢美津駅がある。
第11平和街道踏切 58K494M
【写真左】 【写真右】
↑横手方 北上方↑
(横手市街へ) (現・国道107号へ)
←横手方 北上方←
※横手市道として現役。
総論
現時点で探索できた第3・5・6・7・8・9・10・11のうち、第5・6・7・9・11は前後の線形に難があり(片側ないし両側が屈曲で線路と交差)、
大型車の通行にはかなり難儀したものと思われる。
そしていずれも、大型車はおろか普通車でさえも、踏切上での交差は困難しそうな道幅。
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