国道13号旧道部

近年、道路整備が進むにつれて、秋田県内の道路もかなり気軽に速く快適に自動車で通行できるようになってきた。
秋田では数少ない2桁国道の1つである国道13号線も然り。

そして、その道路整備には、昔からの道路を拡幅して行うものと、市街地部分などではそれを迂回するバイパスを新たに作る方法と、
大きく分けて2つ。秋田県内の国道13号線は、半分以上がバイパス化されているため、相当の距離が昔の面影のまま残っている。
このページでは、私が日頃走る頻度が最も多い国道13号線の一昔前の姿を、写真を交えながら辿ってみることにする。
(一部、羽州街道も含む)

なお写真は原則として下り秋田方向に向かって撮ることにする。福島方向を撮った場合はその旨別記
する。

※ 写真を撮って歩いたのは、平成14年から15年にかけて。
  国も県も市町村も道路整備の予算が縮小される方向にあるようだが、今後もあちこちで道路の整備が行われる計画があり、
  それらの進展によって、旧道の風景がさらに失われていくかもしれない。

その1) 秋田県雄勝町〜秋田県十文字町

  1) 雄勝町上院内 雄勝トンネル秋田県側入口【ここが出発点】

  トンネルを通過すると、向こうはもう山形県ということで、まさにここが秋田県の南の
  玄関口。

  右手の奥羽線上りトンネルの上方は、旧笹峠で、羽州街道はここを登り詰めて
  羽前国(山形県)と行き来していた。








  2) 同所 鎖された廃道

  トンネルの入口直前に、分かりにくいが、左方向へ分岐して行く道がある。
  これが、今の雄勝トンネルができる前の、旧雄勝トンネルへのアプローチになっている
  のである。

  ただしこの旧道(廃道)は、ゲートで閉鎖されていて一般車の進入はできないので、
  ここではその紹介を割愛する。

  この先は、ヨッキれんさんにその紹介をゆだねることにする。



  3) 雄勝町院内

  雄勝トンネルを出た後、5km程でここに差し掛かる。
  国道13号線は、緩やかに右へカーブを描いていくのだけど、これはおそらく新しく
  造られた、いわばバイパスである。

  旧道は、左前方に分岐し踏切を渡って街中へ入っていく。

  ちなみに上の橋は国道108号線(本荘方面)。





  4) 雄勝町院内 院内関跡

   上の写真で左折し、踏切を渡って直後、左手にある。

   昔はもっと間取りが広かったのかなとも思われるが、奥羽線の線路と国道108
   号線の陸橋に挟まれて、辛うじて石碑だけが申し訳程度に立っている、
   そんな感じがする。









  5) 雄勝町 院内駅

   院内銀山異人館(この近くにあった院内銀山や、岩井堂洞窟の出土物を展示して
   いる)と合築されている。

   秋田県内の奥羽線でもっとも南にある駅。









  6) 雄勝町下院内

   歴史を感じさせる標識。

   白骨化している。(笑)









  7) 雄勝町下院内

  雄物川に掛かっていた旧桂川橋台の跡。

  今は橋が下流側に架け替えられている。

  









  8) 雄勝町横堀 万石橋たもと

  横堀の旧道は、幅はそれほど狭くない。
  交差点から分岐していく道路は、昔の国道108号線鳴子方面。
  左折して、右手に役内川を眺めながら1kmほど進むと、国道13号線バイパスと交差し、
  その向こうは現役の国道108号線として使用されている。

  よく見ると、鳴子の「子」の字が、後から訂正したように板を貼っているが、昔はなんと
  書かれていたのであろうか?(^^)






  9) 雄勝町 横堀駅入口

  ここで、旧道は十字路を直進してのち、現国道と合流するのだが、そのさらに北側に
  奥羽線を跨ぐ跨線橋がある。

  ところが、跨線橋ができる以前からあったと思われる踏切とその前後の道路が残って
  いる。(羽州街道の道筋?)

  それに行きつくためには、ここを左折する必要があるようだ。





  10) 雄勝町小野

   起点・福島からの距離を表示していた距離標(と思われる)。

   数字が消えかかって判読不可能。









  10)から北へ約1km。

  右から左へ登る坂道が現国道。

  かつてはここで現国道の道筋と重なって、奥羽線を跨線橋で渡っていたようである。









  11) 雄勝町小野 旧須川橋跡

  流れる川は高松川。川の向こうは湯沢市。

  望む山は東鳥海山という名前。

  三途川渓谷、木地山高原、泥湯温泉へのアクセス路となる県道51号線が、川向こうの
  T字路から右へ分岐していく。







  12) 湯沢市下関

   上ノ宿橋たもとの十字路を右に折れる。これが旧道と思われる。
   (ちなみに現道は直進)

   旧道が奥羽線を踏切で渡るちょうど真上に、工事中の湯沢横手道路(自動車専用道)が。
   奥羽線と旧道を一度に跨いでいる。
   それにしても、ずいぶんと高いところを通っているものだ。

   この後、湯沢市西愛宕町で、現道に合流
する。




  13) 湯沢市西愛宕町

   西松沢交差点で、左斜め方向へのバイパスと分かれ、旧道を直進する。

   交差点を過ぎると、左側(西側)に大きな木が見えてくる。
   あまりに大きく、また高くてその全容をカメラにおさめることはできない。
   付近の民家はみな飲みこまれてしまいそうな勢い。

   実はこれは一里塚。
   道の右側(東側)にもあったはずだが、もはや跡形もない。

   パソコンの画面上で、その大きさを少しでも実感していただきたく、
   この写真だけ特別サイズにしてみた。













  14) 湯沢市大町 アーケード街

   日曜日だというのに、シャッターが閉められた店が多い。
   寂しい。











  15) 湯沢市柳町

   おぼろげながら私が記憶するところによれば、この通りは数年前までは非常に
   狭く、一方通行だった。(信憑性は...?)
   が!近年工事が行われてその姿を一新した。

   それにしても道が広く、近代的になったのと引き換えに、なんとなく活気がない
   ような...







  16) 湯沢市前森

   ここからはまた昔の風景が偲ばれる道路。

   このすぐ手前で、稲川、皆瀬、羽後、本荘方面へと延びる国道398号線と交差している。

   また、ここを3kmほど直進すると現道と合流するが、その少し手前右側の道沿いに
   前森公園がある。









  17) 湯沢市岩崎

  左の写真は秋田方向。
  右は福島方向。
  写っている橋はどちらも同一で、現在の国道。

  というわけで、現存しないが、奥羽線の陸橋の真下に旧街道の踏切が
 あったようである。
  ここだけ寸断されて、その前後は道が続いている。

  ちなみに現在の国道は、写真の陸橋で奥羽線を越えて、まっすぐ
 皆瀬川へ、新岩崎橋へと向かう。
  その直前に、18)地点へのアプローチとなるランプがある。


  ...以上の文章では分かりにくいと思われるので、管理人自作の
 絵地図添付。禁無断転載。
 方位は、上がほぼ北であるが、縮尺は全く適当。

 


  18) 湯沢市岩崎 岩崎橋たもと

   この写真は現道から岩崎橋への進入路上から撮っている。
   とまれの標識がT字路になっていて、左折すると岩崎橋で秋田方向。

   17)の所から旧街道を道なりに北上すると、この写真右手方向からまっすぐ岩崎橋に
   差し掛かることになる。


   ちなみに、この約3km下流には、冬に白鳥が多く飛来する川原がある。



   藩政期、ここには橋は1本もなかった。
   人々は、舟で対岸との間を行き来した。
   川が増水すると、何日も足止めを食らった。

   そして時代は現代。
   上流側から順に、JR奥羽線・岩崎鉄橋。
   そして上の写真にも一部写る岩崎橋。
   それから今の国道となっている新岩崎橋。
   さらに、自動車専用道の湯沢横手道路・皆瀬川橋。
   1km足らずの間に、4つもの橋が集中している。

   まさかこれ以上橋が増えることはないとは思うが、既に橋だらけ。
   仮に江戸時代の人がこんな光景を見たら、きっと仰天することであろう。


   昔の人は、ときには命がけでこの川を渡ったことであろうが、今なら車、もしくは電車に
   乗ると、あっという間に鼻歌交じりで川を渡ってしまう。


   そんな感じで、遠い昔に思いを馳せていたら、足もとの草叢に何やら埋もれていた。
   足でちょっと草を払いのけてみると、なんだか標識のようだ。
   字がかすれて読みにくい。

   「岩崎橋」と読むのは強引だろうか?




  19) 十文字町古内

   福島方向。
   秋田方向から来て、岩崎橋に差し掛かる少し手前あたり。

   この辺りも道幅は十分である。









  20) 十文字町古内

   福島方向。











  21) 十文字駅入口五差路

  ここが国道342号線の旧道の入口。
  (「増田」方向)

  昔、ここは十字路だった。
  ここが十文字と呼ばれることになった
  由来である。

  奥羽線十文字駅の開設により、駅へ
  向かう道路が作られ、五差路と
  なった。


その2)へ

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