仙岩峠旧道

盛岡から秋田に至る幹線道路、国道46号線。
途中、標高800m以上の奥羽山脈を越えなくてはならない。
昔から、人々は峠を切り開き、道を作った。
その昔は、「生保内峠」とか「国見峠」と呼ばれた。

明治初期、獣道同然だったこの峠道が改修された。これがいわゆる「旧道」である。
明治9年には、大久保利通によって、秋田県仙北郡の「仙」と岩手県岩手郡の「岩」の2文字をとって「仙岩峠」と命名された。

昭和26年、仙岩峠を経由して秋田と盛岡を結ぶ旧道は、2級国道105号線としてその名を受けた。
そして昭和37年には国道46号線として指定された。
以後昭和38年までに、自動車交通が可能な程度に改修されていたが、835mの峠越えの区間でありながらトンネルは一ヶ所もなく、
豪雪地帯であるため長期間の冬季通行止めが必須となった。
通年通行を目指して、新たな道路整備が求められ、21ヶ所の橋と8ヶ所のトンネルからなる新道が昭和45年着工、昭和51年10月開通にこぎつけた。
県境を越える仙岩トンネルは、中でも一番の長さで、2544m。

以来、旧道は人々の記憶から時とともに忘れられつつある...はずだが、そんな中でも、人々がすこ〜し、記憶を取り戻すときがある。
春の山菜取り。秋の紅葉。また春から秋までの登山や温泉客。
岩手県側から、国見温泉までは、車両通行が公認されているので、多数の車が乗り入れる。

「ちょっとだけ」その奥に侵入した。

*なお、同士が多数探索し、レポート記事もWEB上であふれる咋今だが、だからこそ、敢えて私は峠に挑んだ。
*峠の今を知りたかったから。
*それが、恐怖体験になるとは、思ってもみなかった。
*たぶん一生忘れられないだろう。
*峠を訪れた2003年5月26日の夕方、家に帰ってから、宮城県沖を震源とする地震が起きた。
*あの地震が、昼間に起きていたら、私はこの世にいなかったかもしれない。
*このレポ−トを書くことすらできなかったかもしれない。

前説が長くなってしまったが、では早速...

このレポート記事は、現地を探索した2003年5月26日(日中)現在のものです。

その1 岩手県側からエントリー

  1)雫石町

   盛岡市の起点から30km地点。

   この緩い右カーブを抜けると、そこは...










  2)分岐点

   左手に、ドライブインの建物。
   (閉鎖したとばかり思っていたが、2003年暮れに通ったら営業している様子だった)
   前方に秋田駒ケ岳が雄大にそびえる。

   現道は、緩く左手前に弧を描いて登りながら秋田方向へ向かっていく。

   トンネル内で火災や事故などが発生した際に、通行止めにするための遮断機もある。

   そして...




   右手側に、今回目指す仙岩峠に至る旧道が分岐
  していく。

   現在は、岩手県道266号線として、管理運営
  されている。









  3)ゲート

   ここにはゲートが鎮座。(秋田側から盛岡方向へ向かって撮影)

   冬季の間は、これによって容赦無く閉ざされる。











  4)森の中の道

   木々の間を縫うように登る。

   木洩れ日がまぶしい。

   このあたりは、道路状況がとても良い








  5)荒沢橋

   昭和33年11月竣功。

   路面も欄干も損傷は見受けられない。
   手入れが行き届いているようだ。




  6)年代物

   歴史を感じさせるカーブミラー。

   「注意」と書かれていたであろうプレートが、真っ白になってしまっている。














  7)現道を見下ろす

   左の写真は盛岡方向。
   右の写真は秋田方向。
   そのエンジン音は、ほとんど絶え間なく鳴り響き、辺りの
  山々に反響する。

   対照的に、旧道はこの季節でさえも、数分に一台程度
  通るか通らないかぐらいの交通量。



  8)日あたり良好

   旧道に戻る。

   ところどころ木の成長が見えるが、コンクリートによってなだめられた斜面。


   なおも登る。







  9)鹿倉橋

   昭和35年8月竣功。
   とても絵になる橋。
   銘板の文字は、達筆過ぎて読めない。



   辺りには、水が岩に砕ける音がこだまする。

   橋の上に立って、下を見下ろすと、そのあまりの
  高さ故、怖ささえ感じる。










  10)陥没!

   車を走らせていて、一瞬「何事か!?」と思った。

   端に寄せて振り返って見ると、路面が陥没している。
   一応補修はされているものの、これはかなり規模が大きい









   11)あと3kmで...

   かなり最近になって、岩手県が設置した遊び心いっぱいの標識。

   それにしても、キノコを持って微笑むこの子はいったい...










  12)???橋

   昭和35年8月竣功。

   お願いだから、銘板は楷書で書いてくれぇ〜!読めないぃ!

   背の高い木が減り、次第に視界が開けてくる。




  13)黒岩橋

   昭和36年9月竣功。これはまた独特な書体の銘板。

   この向かって左手の親柱の上に、タケノコが3本。
   タケノコ採りの人が置いていったのであろう。
   持ち去ると罰があたりそうな気がして、私は手を触れずそのままにしてきた。


  14)通行止看板

   旧国道と、岩手県道266号線が重なる区間はここで終了。
   国見温泉に向かうには、ここで右に折れて急な坂道を登っていく。
   (終点の国見温泉まで、車が乗り入れ可能な立派な県道が続く)


   旧国道は直進する。
   通行止めの看板の足元には、壊れているとはいえ、バリケードが。

   と、普段の私なら、ここで引き返すのが常でありモットーであるが、よく見ると...


   コーナーの奥に車が1台止まっているではないか!
   たぶん山菜取りであろう。
   山菜取りが侵入(しかも彼らは堂々と入ってるのだろう)しても良いのなら、旧道探索だって
  良いはずだ!?

   ...という身勝手な三段論法を唱えつつ、車に乗り込んで、看板の奥へとアクセルを踏み込む愚か者。
   (良い子のみなさんは、絶対真似しないでください!)
   そこに待ち受けていたものは、...





ここで管理人からお願いです。
12)で紹介した橋の名前がお分かりのかたは、ぜひ教えてください。

銘板は読めないし、地形図に橋は描かれていますが名前は載ってないし、手元の資料も無いに等しい。
おかげで夜も眠れず困っています。

その2(いよいよ峠、そして県境へ)へ

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