仙岩峠旧道

岩手県雫石町の、旧道分岐点から国見温泉入り口までを探索した「その1」。
引き続き、いよいよハイライトとも言うべき、県境を目指すことにする。

通行止め看板の奥には、いったい何があるのだろうか?

このレポート記事は、現地を探索した2003年5月26日(日中)現在のものです。

その2 いよいよ峠、そして県境へ



  15)名無しの橋、その1


   壊れたバリケードの奥は、遥かに想像を絶する世界であった。
   壊れているとはいえ、それは日常と非日常、安全と危険を隔てる役目を、確実かつ立派に
  果たしていた。

   バリケード跡から秋田側に向かって最初の橋。

   ごく普通にどこにでもあるガードレールに色を塗っただけの、簡素な欄干。
   しかもその塗料が剥げ、錆が浮いている。
   コンクリートもボロボロ。


   名無し、と言うよりは、銘板がなく名称不明と言うほうが正確か。

   左中の写真は、分かりにくいであろうが、秋田側のたもとの段差。
   秋田側から坂を下ってきて、橋の部分で平らになるので、アスファルトが押し出されてきたのだろうか。

   左下の写真、橋から少し秋田よりの路肩に埋もれるガードロープ。

   これらの何れを見ても、全く管理されていないのが一目瞭然である。
   廃道なのであるから、当然と言えば当然であるが。




  16)登る

   コンクリートで固められた壁は、それほど劣化していないように見える。

   それにしても、もう5月も終わりだというのに、路肩には未だ雪が!

   1年のうち、半年しか通行できなかったというのも、ウソではないようだ。







  17)木々の勢い

   春。
   植物はいっせいに芽吹き、枝を伸ばし、花を咲かせる。
   その勢いは、道路の両側から中央線に迫るほどである。

   その昔、道路建設によって生息域を奪われた分を、必死になって取り返そうとしている
  ようにも見える。


   ところで、写真を撮ったときにはなんとも思わなかったが、一番手前の中央線がずれている。
   断層?



  18)明と暗

   笹森橋
   昭和37年9月竣功。

   同じ旧道上の橋なのに、片や岩手県によって、平成の世になっても
  手厚く管理されている。


   片や、廃れ放題。
   確かに、国見温泉に行くルート上か、または外れているかの違いはあるが...

   これも運命というものか。


   この橋も、秋田側のたもとがひどい段差。

   思いっきりゆっくり走っても、ものすごい衝撃が、ハンドルとシートを通して伝わってくる。





  19)落石注意

  木々の間に紛れた標識を、危うく見落とすところだった。











  20)崩落の跡

   ここでは、おびただしい量の土砂が崩れ、流れ落ちたようだ。
   人為的に土砂を撤去したと思われる。
   必要最低限の「管理」は、されているということか。


   この辺りの道路幅は、もともと片側1車線ずつあるはずだが、崩れた土砂が降り積もって、
  車1台分といった感じである。






  21)ゆ〜ら、ゆ〜ら

   この写真は、解説を加えないとお分かりにならないであろう。

   場所は20)と同じ崩落跡。
   目測30〜40cm、重さ数10kg位?のコンクリート片が、鉄筋によってぶら下がっている。
   風によって、ときどき不気味に揺れる。
   ずっと見ていると、今にも落下してきそうで怖い。






  22)ひとまわり

   この写真、さっきも見たとおっしゃるあなた、お目が高い。

   20)の崖を背にして、14)のバリケードを見下ろしている。
   国見温泉から流れ下る沢を、15)の橋で越えて、ぐるっと沢沿いに登ってきているのである。

   今の土木技術でなら、一本の橋を掛ければ済みそうな感じもするが...






  23)ご対面

   ふと気がつくと、秋田駒ケ岳がこんな間近に。

   標高差もそれほどないように見える。


   この道が現役だったとき、こうしてその雄大な眺めを見られたのは、はたして何日あったの
  だろうか?
   その数少ない日々、苦労して山越えした人々も、さぞ癒されたことであろう





  24)鏡

   若木に紛れるカーブミラー。

   何かの拍子に、向きが変わってしまったのだろう。

   その鏡面に、車や人やバイクが映ることはもうないのだろうか。







  25)名無しの橋、その2

   この橋も、先程の15)の橋と同じような造りの橋。

   そして、15)程ではないが、やはり左にカーブしている。










   26)木々の侵略、その1

   成長著しい木と、息絶えた倒木に圧されて、このあたりははほとんど車1台分の幅しか残っていない。

   滅多にないが、対向車が来たら、どちらかが観念してバックするしかない。










  27)そしてまた崖とカーブ

   こうして登ってくると、トンネルは造らず、橋の数も長さも最小限にして、沢に沿って登ってきて
  いるのが感じ取れる。

   現道が、連続する橋とトンネルで造られているのとは、対照的である。









  28)木々の侵略、その2

   ここは、木々の伸び方が、探索したうちでもっとも著しかった。

   1車線分を完全に占拠してしまっている。

   対向車が来ないことを祈る。








   29)笹薮の中に

   ポツンと立つ白い柱2本。

   その昔、何らかの標識が立っていたと考えるのは、間違いかな?










  30)ヒヤ潟

  岩手県側から、断続的に高度を増してきた道路は、ここでようやくその登りに終止符を打つ。
  標高は約835m。
  花畑や湿原が見られる。
  この道路が現役であった当時は、景勝地として脚光を浴びたのだろうか。

  管理人が訪れた当日は、山菜取りの人たちと思われる車が、道端に数台止まっていた。







  31)林道

   ヒヤ潟から、旧道左手に分岐していく林道がある。
   入り口はやや急な登りとなっているが、登り切ると
  如何にも林道的な道が、奥に続いていく。

   これが大昔の旧道のルートにあたるのだろうか?
   これを辿っていくと、雫石、そして盛岡に出られる
  のだろうか?






その3(秋田県側へ突入!)へ

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