(特別読みきり)
「SLばんえつ物語号」乗車記
このサイトは、その名のとおり旧道と廃線跡の探索をして、その探索記をまとめて公開するのが主旨であるが、番外編として、会津若松−新潟間をJR磐越
西線・信越本線経由で運行する臨時快速列車「SLばんえつ物語号」に2008年4月27日に乗車した際の様子を記すことにする。
なにしろ、SL列車に乗るのは、物心ついてからはおそらく初めてであるので、かなりテンション高く舞い上がっていた記憶が(爆)
前夜の飲み会のアルコールを引きずることもなく(・・・と言いたいが、実際は約1時間の寝坊!)朝飯もそこそこに、曇り空の会津若松駅に到着。
昨夜のうちに「えきねっと」で確保しておいた「SLばんえつ物語号(ばん物)」指定席券の発券と、新津往復の乗車券を購入するために、そそくさとみどりの
窓口へ。
空席はまだかなりあるらしく、窓側をゲットできた。
『指定券が新潟からになってますが、乗車券は新津往復でよろしいですか?』
駅員に怪訝な顔で聞かれる。
だって。。。これから出る2番列車に乗ると、新津でばん物を待ち構えないと、乗れなくなっちゃうんだもん!
それに、快速列車の指定席券は新潟発でも新津発でも同額の510円で、乗車距離は短くなるが、支払額は損はしない。
みどりの窓口で支払いを済ませ、2番列車が待つ2番線へ。
高校生が数人のほかは乗客はなく、そして彼らも喜多方ですべて降りてしまい、しばらくの間寂しい車内になった。
あと数十分で新津というところで、1人2人と乗客が乗り込んできて、ふと気づくと座席が2/3くらい埋まった状態で新津に着いた。
新津で9割がたの客が、数分の待ち合わせで新潟方面の信越線の列車に乗り換えた。
新津でとんぼ返りなんていう客は、ほかには多分いないだろう。
改札を出ないでそのままばん物に乗ろうかとも思ったけど、乗車券の入場記録がないと
ヤバイかな。。。と考え直し、わずか20分あまりを改札外のベンチで過ごし、再び入場。
駅弁とお茶とチョコレートを買い込み、ばん物が発車する1番線へ。
ホームに下りてからさらに10分少々は待ったかなぁ。
間もなく入線の放送。 程なくして、ばん物入線。
門司鉄道管理局式デフレクター(除煙板)、通称「門鉄デフ(門デフ)」を纏ったC57 180が
姿を現した。
門鉄デフを取り付けている代わりなのか、例年注目されているヘッドマークは、ない。
その姿をカメラに残そうという人垣に混じって撮影。
新津で約10分停車するので、ゆっくり撮影してからでも乗り込める。
では、いざ客車へ。
『間もなく発車します!』
写ってしまった後ろ姿の人物は、何の面識もない方です。 ゴメンナサイ。
ボックス席とは言えども、異常に高くフカフカして、座り心地が良い。
内装はかなり凝った造りになっている。
五泉、咲花、三川と停まっていき、津川で13分停車。
次第に山が迫る。
曇り空のせいか、トンネルに入ると、窓が一斉に白く曇る。幻想的!
その後、日出谷、野沢に停車。
時間は昼に近づき、新津で買った駅弁を開ける。
『これからジャンケン大会を開催します。』
車内放送が流れた。
1号車から順に開催するので、私のいる3号車は、間もなく山都という時間帯に行われた。
負けた人は、3回目4回目とチャンスはあるのだが、思えば昔からジャンケンに弱い私、そのいずれもあえなく
敗退(;_;)
賞品はなんだっけな?貰えなかったから忘れちゃった!
そして、ジャンケン大会とはまた別に、この日のイベント「西会津町お楽しみ抽選会」も行われたが、これもまたハズレ!!!
クジ運悪〜。。。
そんなことをしているうちに、ばん物は山都到着。
ここでも10分停車。ホームに出てみた。
「限定」という言葉に弱い私、ホームで売られていた「山都そば」と、獲れたてのアスパラガスを
買った。
なおも人の流れについていくと、ホームの最先端が線路と同じ高さになっていて、C57
180の前面
先輪までをカメラに収めることができた。
『間もなく出発しま〜す!』車掌さんがホームを歩きながら叫んでいる。
映像が残っていませんが(おい!)4号車(展望車)に行ってみた。
天井までカーブする大きな窓から、煙がたなびくのが見える。
悠々と流れる阿賀野川をバックに、隣を併走するクルマたちと、抜きつ抜かれつの絵はなかなか面白い。
ばん物に乗ると、「乗車手帳(左上・右上)」と「絵はがき」と「スタンプラリー押印台紙(左下・右下)」が全員に配られる。
そして5号車にある売店で、50円切手が売られている。
さらに!最後尾7号車のデッキには昔懐かしい丸ポストが鎮座している。
ということは。
車内で切手を買って(もちろんあらかじめ準備してもOKですが)車内で書いてポストに投函すれば、ばん物オリジナル消印が押されて郵送される
そうである!
阿賀野川−阿賀川に沿って、這うように登りつめた約4時間近く(注、私は新津からなので3時間チョイですが)のばん物の旅も終わりに近づいた。
ばん物は、車掌さん始め、アトラクションで乗り込むスタッフさんが超元気。 圧倒されるくらいである。
その車掌さんが最後のご挨拶に回ってきた。 一斉放送のあとに、ボックス席を1つ1つ回っての丁寧さ。
なんだか恐縮。
『終点の会津若松に到着です!』
出迎えのお客さんと、ばん物から降りたお客さんとで2番線はいっぱい。
『出口は階段を上らずまっすぐお進みください』駅員が案内していた。
4時間近くの行程を支えた機関士さん達も、溢れんばかりの笑顔で、お客さんを見送っていた。
快速「あいづライナー」との並び。
夏の臨時列車、特急「あいづ」にも使われる車両である。
『間もなく汽笛が鳴りま〜す。ご注意ください』駅員がマイクで警告する。
確かに、予告もなく至近距離で鳴らされるとびっくりしそうな音量ではあるが、それよりも
案内放送のほうが、遥かに音量デカイ!
汽笛が鳴って、ふと気がつくと、ばん物は2番線を後退していった。
とにかく時間に振り回される今の世の中、SLはのんびりと走っている。
石炭を燃やすことによる環境への影響、運行や保全修理にかかる多大な労力とコストもあり、
問題は多いのだが、ぜひそれらを乗り越えて走り続けてほしいものである。
(完)
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