土湯峠旧道

  福島県相馬市から、福島市を経て、福島県耶麻郡猪苗代町に至る国道115号線。
  途中、安達太良山(1699m)の北側の土湯峠(1240m)を越える。
  福島と会津を結ぶ道として古くから開かれ、藩政期には会津藩により改良された。
  さらに昭和に入ってからは福島県が改良し、1969年(昭和44年)に舗装工事完了。
  しかし、道幅が狭く急カーブ・急勾配連続、標高の高さ、3m超の積雪による長期の冬季閉鎖の問題から新道建設が計画された。
  2005年(平成17年)12月3日に、福島市土湯温泉町地内の延長3.3kmが完成開通したことにより、1980年(昭和55年)に工事着手した「土湯道路」はついに
 全線開通となった。

  管理人はその直前の11月26日に、峠道に分け入った。

その1 横向温泉〜土湯峠〜野地温泉

  1)のっけからバリケード

  現在の場所はここである。

  管理人が当地の地理に全く不案内であるため、往路福島市側からアプローチし、下見
 しながら折り返し、復路での撮影を試みたのであるが、ここで行く手を阻まれてしまった。
  よってここで折り返した後、福島市方向に向かってのレポートとなる。

  往路で下見の途中、「道の駅土湯」裏手のT字路で出合い頭事故未遂。
  そして積雪のある旧道区間で警察屋さんとすれ違い。
  スリル満点での探索開始となった。



  実際に寄せてみようなどとも思わず、指1本触れていないので全く分からないが、重厚
 そうな造りのバリケード。
  そして道端には、一定量の連続降雨で(数値は失念!)通行止めとなる旨の注意看板が
 立っているが、他に容易に開閉できるような遮断機形状のバリケードはなく、開放する気
 はないようである。


  管理人が訪れたとき、バリケードの前に(向こう側に)ワゴン車が1台止まっていた。
  この2枚の写真に一部写っているのがそうだ。
  どうやらスキー場の関係車両のようで、スキー場には社員と思われる数人の人影。
  用を足したようで、こちらに向かって歩いてくる。
  長居は無用!と悟り、そそくさと立ち去った。






  それから、ここでの収穫は、なんと言ってもこれである。

 


  なんか...屋根が一部落下してなくなってるし...


  リゾート気分を満喫する笑顔に満ち満ちた人たちがいなくなってから、何度目の冬を
 迎えようとしているのだろう、この廃墟。

  太陽の光はここにも射し込んではいるが、やはり寂しく異様である。

  ※管理人はこの建物の中には侵入していません。





  2)通行止め看板

  磐梯吾妻道路って、磐梯吾妻スカイラインのこと?(後述)

  ...ところでここはバリケードよりも奥なんですけど、誰が見るんだろう!


  へアピンカーブでの登りが始まる。









  振り返ると、広い駐車場に多くの車が止まっているのが見える。
  地図を見返したが、方向的に箕輪スキー場の駐車場だろうか?
  でも、バリケードがある為ここから直接行くことはできず、旧道と現道の土湯トンネルを
 延々15km近くも回りこまなくてはならない。










  日が照ってどんどん融けてはいるが、道端には今朝降ったばかりと思われる雪が残っている。

  でも、...
  このポールが立ち並んでいるということは、冬期間も除雪をする気なのではないか?
  バリケードを塞いだままで?











  3)走行試験


  登るにつれ、雪の量は増え、ついには路面を覆い隠す勢いだ。

  えっタイヤはどうしたのかって?バッチリ冬タイヤ装備ですよ。
  ただ履き古しているので、走行試験も兼ねて、今回峠に臨んだ。

  慎重に走れば問題なさそうだ。

  ところで当地って、チェーン規制のときチェーンなしでスタッドレス装備の車は通行できる
 のだろうか?





  4)峠

  土湯峠。標高1240m。
  磐梯吾妻スカイラインが分岐していく。
  先程の通行止め看板は、この道路のことを言っているらしい。

  県道番号「30」が書かれた部分、以前は国道のマークに「115」と書かれていたのであろう。








  冬季閉鎖ということで、当然路面は雪に覆われ、轍もまばら。
  11月でこの風景、厳寒期にはこの青看が埋まってしまうほど積もるのであろうか?

  この青看にもステッカーを貼っているようだが、この道路はその昔、なんと呼ばれて
 いたのであろうか?











 

  ここで、2つめの廃屋を見ることになる。
  見るからにドライブインの廃屋である。
  瓦礫が、風に吹かれてバタバタと寂しく音を立てている。

  トイレと思われる所の壁面に残る落書き。
  景観上良くないからと消す人はもちろん、またこれを傍観する人さえも、もはや皆無に
 等しいのだろうか。

  そのドライブイン、気軽に立ち寄れるコンビニや道の駅に圧されて淘汰されるようになって
 久しい。
  だが今でもがんばっているお店も少なくない。


  ※管理人はこの建物の中には侵入していません。





  ここには、見るべきものがもう1つ、ある。

  「観光道路改修記念碑
   昭和15年10月
           福島縣知事正五位勲四等橋本清吉書」

  碑の裏面にもびっしりと文字が刻まれていたが、
寒いので解読せず写真も撮らず退散
  (爆)

  それにしても戦前には既に、峠越えの観光ルートが確立されていたのである。
  しかし1240mもの高所、風も強く冬も長く交通は困難だったことであろう。






  5)立ち並ぶ温泉



  峠を下ると、道沿いに温泉が見えてくる。
  後で地図を見返して分かったのだが、幕川温泉だけは、この旧道からかなり分け入る
 感じだが。

  道路を歩く温泉客は、雪の多さにびっくりしているように見える。

  途中、右手に箕輪山(1728m)と思われる山が聳える。









  どうです?
  高・中速車なんて、いまどき滅多に見ませんよ。
  なんかとっても投げやりな道路管理。

  と言うか、のすたるぢーに浸ることができるでしょう。











  6)雪道を行く

  防雪柵の造詣が、昭和を感じさせる。

  峠から幾分下って、日なたはかなり融けてきたが、日陰に入るとツルツルテカテカなので
 慎重運転。


  行きの下見のときにも見かけた、どこぞの社名入りの軽トラ、なんか帰りも抜きつ抜かれ
 つ...
  ってどうやら、何を撮っているのかは分からないが、私と同じように写真を撮りながら
 車で移動しているご様子!
  お互い、寒い中ご苦労様ですね。



(その1・終)

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